ひでちよ日記 モアプリ攻略記念 赤也編 忍者ブログ
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モアプリ、赤也クリアしました。
まず感想として赤也に言いたい、ひとこと。
「自分で辞書を引け!」
一緒に宿題をやったときにすごい思いました。
わたくし、真田や柳の気持ちがすごくわかった!
だって、もう、めっさ説教したい、赤也!
真田と柳が説教するっていう時に、「私も参加します!」って言いたかった。
というわけで、赤也は説教ポイントが多すぎて、萌えと説教ポイントが同等といったところでしょうか。
けど、きゅんはきゅんなんだよね。しかも、ゲーム終わった後の起動時ボイスがかわいすぎてヤバい。。。

それにしてもモアプリで初めて、「へえ、赤也はそんなふーに自分の恋を先輩に相談したり、やすやすとまっすぐに駆け引きなしの好き好きオーラ出すんだ」ってのが、ちょっと新発見て感じで面白かったです。もうちょっとね、「好きな子に意地悪する」っぽいかなあと思ったんだけど、意外にドストレート。あと、やきもちやきなとこが可愛かった。
そして、赤也はやっぱりなんだかんだいって先輩たちに可愛がられてるってのが、ほんと、すごくいいなーって思った回でした。

そして、そんな赤也のメモリアルはこんなかんじに思いました。例によって学園祭的なリンクはありません。
続きから。

~~~~~~~~~~~~~~~~~

「へへっ、まーたまたヨロシク頼むぜ~、お隣サン」
席替えをして、隣にやって来たのは切原赤也。
2年生になって3度目の席替え、彼が私の隣になるのも3度目だ。
勿論、偶然なんかじゃない。
そう、切原赤也は私のことが好き。


「あ~、わっかんね~わっかんね~! 辞書引いても単語の意味しかわっかんね~! つなげるとどういう意味になるのか、書いてねーじゃん、わっかんね~よ、もう~!」
2年生になったばかりの頃、赤也はいきなり放課後の居残りを命じられていた。英語の課題があまりにお粗末だったからだ。私は自分の席で本を読みながら友達の委員会が終わるのを待ってたのだけど、その絶望的な独り言をまくしたてる赤也をちらちらと見ていた。
切原赤也は有名人だ。
全国的に有名な立海のテニス部で、2年生ながらレギュラー選手。
性格的にも明るくて社交的で友達も多い。
私はそういうタイプの男の子はあまり身近じゃなかったから、そんな彼が英語の課題でじたばたしてる姿が、ちょっと珍しかったのだ。
「あっ、ねえ、アンタ!」
と、赤也がいきなり顔を上げて私を見た。
「わっ、何?」
「アンタ、結構真面目そうじゃん。英語、得意? 頼むからちょっと教えてくんね? 早く終わらせて部活行かねーと、先輩たちにド叱られて大変なコトになんだわ」
「え? あ、そうなの、そりゃ大変だね。私もそんなに得意じゃないけど……」
勢いに押されて、その時彼の課題をちょっと手伝ってあげた。
終わったら脱兎のごとく教室を走り出て行くのかな、と思ってると彼は教科書をカバンにしまった後、やけにじっと私を見た。
「えーと……急にこんなこと手伝ってもらっちまってすまねー。けど、あんがとよ。アンタ、親切だな。それによく見るとすげーカワイイし」
その時の赤也はそんなことを言って、へへっと笑うとテニスバッグを持って手を振りながら教室を出て行った。



それ以来、赤也は私からくっついて離れない子犬みたい。
席替えをするたび、私の隣の席のくじを引いた子に詰め寄っては代わってもらう。
私が日直をやるたび、これまた私の相手の子と無理やり交代をして私と日直をこなす。
「だって、どーせ日直の仕事やんなら、アンタとやるのがいいに決まってるじゃんよ!」
赤也は明るく笑って言うのだ。
最初のうちは、私と組んだらいろいろ任せてラクできるっていうつもりかな、と思ったけれど、私が日誌を職員室に忘れてきたというと、『あっ、じゃあ俺が取ってきてやる!』と、苦手なはずの職員室に走ってくれる。
クラスの仕事で私が何か物を運んでいると、いつも見つけて走ってきてはそれを代わりに持ってくれる。たまに、他の男子が手伝ってくれようものならば、
『いいっていいって! 俺が! 俺がやるからいいんだよ!』
なんて言いながらすごい勢いでやってきて、他の男子から仕事を奪い取る。
こんな露骨な態度なわけだから、そりゃ他のクラスメイトも赤也が私をどう思ってるかなんて簡単に察するわけで、『これ、赤也に渡しといて』と赤也への用事を私に言付けたり、私が掃除当番だったりすると同じ当番になった子は『おい赤也、かわるか?』なんて自分から赤也に言い出したり。
そんな感じ。
そういう男の子にまったく不慣れな私は最初の頃は戸惑ったけど、そのまっすぐに走ってくる子犬みたいな赤也は嫌いじゃなくて、いつのまにか私も彼のことを『切原くん』から『赤也』って呼ぶようになっていた。

その日は昼休みに、男子たちが午後の理科の実験の班を決める何気ない話し合い。
機材の数の関係で、ちょっと変則的な班の編成にしなければならないのだ。
「え~、マジかよ! なんでだよ~!」
いつものように赤也がだだをこねている。
「しょうがねえだろ、赤也。今回の実験は結構難しいみてーだし、後のレポートも大変だからさ、ベンキョーできて面倒見のいいヤツと一緒の班になんの競争率たけーんだよ」
「ンなこと言わねーでさ、俺がアイツのこと好きなの、皆知ってっだろ?」
赤也の声が教室に響く。
私は弁当箱を片付けながら、赤也の方を見た。
目が合うと、赤也はへへ、と照れ笑いをしてみせる。
私は弁当箱をカバンに仕舞って、そして赤也の前に立った。
「赤也」
「あっ、あのさ、実験で俺と一緒の班になってくれよ、なあ? 俺、ぜってーマジメにやるから! なんならレポートだって担当すっから!」
一生懸命言う赤也をじっと見た。そして、私は口を開いた。
「ね、赤也。そういうの、もうやめて」
私が言うと、赤也はぎょっとした顔。
あわてて言葉を重ねる彼に背を向けて、私は教室を出た。早足で廊下を抜け、階段を下りる。
「オイ、待てよ!」
赤也は全力疾走で来たのか、階段の踊り場であっというまに追いつき、私の腕をつかんだ。
「な、何怒ってんだよ? なあ、理科の実験、俺と同じ班になるのイヤなのか?」
私が首を横に振ると、赤也はますます困った顔。
「えと……俺、英語のこととか、聞きすぎるか? 悪ぃ、これからもっと自分で辞書引くからよ!」
私は首を横に振るばかり。
赤也は泣きそうな顔。
「……もしかして……俺のこと……キライなのか……」
私は黙ったまま、深呼吸をした。
「赤也ね、」
私が彼の名を呼ぶと、彼はじっと真剣な目で私を見る。
「赤也はいっつも私にくっついてくるけど、一度も私に好きとか言ったことないでしょ。どうして、クラスのほかの男子たちには簡単にあんな風に言っちゃうの」
そう言うと、赤也は目を丸くして、そして眉尻をぎゅっと下げる。
「私を好きだって、どうして他の子には簡単に言えるの」
赤也は、ちょっと泣きそうな顔。
「……ゴメン、俺……アンタのことが大好きで……」
そう言ってから、唇を尖らせて、少しうつむく。
「好き好きオーラ出しまくってアンタにくっついてんのが、すげー幸せなんだ。だからさ……もしもアンタに直接ちゃんと『好き』って言って断られたら……って思うとビビっちまって……。それだし、なんかもう……わかってくれてっかなって……」
まるで叱られて尻尾を垂れた子犬みたい。
私はもう一度深呼吸。
「あのね、赤也。『好き』ってこと、女の子はまずは自分だけに教えてほしいんだよね。どーして他の子が赤也のその言葉を聞いてて、私だけがちゃんと聞いてないの」
赤也はまたじっと私を見た。
ぐっと眼に力が入る。
今度は叱られた子犬じゃなくて、急に男の子になった。
「うん、だよな。俺、男なのにアンタを不安にさせて、ゴメン。俺、アンタのことホントに好きなんだ。俺のこと、好きになってくれる?」
赤也ってこんなに大きかったっけ?
こんなに男っぽかったっけ?
あんなに子犬っぽかったのに!
私は急に自分の顔が熱くなるのを感じた。
言葉が出ない。
「……そんなこと今さら聞かないで!」
赤也の手を振り払って階段をかけ降りる。
けれど、赤也が追いついて後ろから私を抱きしめるのは、ほんの次の瞬間。
(了)

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