ひでちよ日記 今週のテニスを読んで 忍者ブログ
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「まずいぞ、仕事場に資料をわすーれたけーどー」(海堂「青き炎」風に)と、今朝方我が愛車「ブラックパール号」を出そうとしたらボンネットになんこが寝てて、コラー!というと、あわてて逃げようとして滑ってけつかる。
キーと爪あとが……。そんながっくしの本日は、珍しく長々とテニス感想を。
まあ、ネタバレ的であり、かつ少々長いので以下に。

今週のテニスを読んで、乾の事を考えて、私は「長距離ランナーの孤独」と、あと吉野朔美作品への解説が思い浮かびました。
長距離ランナーは、まあ走りながら人生やいろんな事についてとうとうと考ける主人公の話で、ご存知の方も多いと思うので内容は割愛。そんな感じに、この試合に関わる様々な選手(ベンチの選手も含めて。特に幸村とか)が、それぞれの勝負観を鑑みつつ様々な事を考えて着地点を模索した試合だったろうと思いました。
そして、吉野朔美氏の作品解説での一言に(これが、誰が書いた解説か失念してしまった!)
「氏の恋愛漫画では恋が成就するその傍で、必ずや恋に破れ悲しむ者が確実に存在する、それは非情なまでに」
という感じの一言があって、当たり前であってでもとても潔い感じに感心した記憶がある。たしか「月下の一群」か何かへの解説ではなかったかと思う。氏の作品ではヒロイン以外の重要女子キャラで振られた女の子がいたからって、安易に他の男の子とうまくいくっていう展開のあまりない話が多かった。それでも振られた女の子の凛とした、きりりと一人で立って前を見る感じがとてもすばらくて好きでした。

そんなわけで、乾の夢から始り、そして病室で包帯ぐるぐる巻き(しかもジャージのまま!)になったる乾、そしてつきそう海堂という展開に、私は当然びっくりしてしまったわけですけれど、よくよく考えたらこの試合、ある意味非常に「現実的」でそして結果的には乾と海堂らしい着地点であったと思えるようになりました。一晩たったら。

立海……多分幸村の方針としては、赤也をあのような状態にしてそれを柳に調整させつつ、どんな状況になっても勝利を目指すというもの。
そして乾は、「海堂、抑えきれない自分を使ってはだめだぞ」という方針であり、最後の力で海堂が我を忘れそうになる瞬間を抑え、そして力尽きたわけで。
柳はおそらく、今回の戦法に自分のスタイルとしていくばくかの疑問を持っていたがために、己のスタイルを貫いた乾に、最後賞賛の一言を贈ったにちがいありません(己のスタイルを捨てた者を軽蔑する彼ですから)。
おそらく勝利に向けて、立海はメンバーの中でも様々な葛藤があると思います。
幸村の中でももちろんそうだし、そして幸村に戦略を言い渡されるメンバーの中でもそうだと思います。
また、二年生である赤也への期待と、また彼をどういう選手に育ててゆくかという責任感も三年生の中ではそれぞれ葛藤しているのだろうと思います。
でも、勝負は「勝つか負けるか」なので、いちいちそんな事は描写されず、乾の「まけたのか」でおしまいでヨシ。勝負なんだから、絶対に勝つものと負けるものがいて、「イイ試合だった」なんて言葉もあるけれど、結局負けは負け。その負けをどう潔くかみ締めるかが重要だと思う。別にかっこよく負けなくてもいいです。
今回負けた二人の、病室での静謐で凛とした負け姿は、悪くなかった。

包帯でぐるぐるなのは、別にウケを狙ってるんじゃないのです。
彼が全国大会決勝で負けて、どんな顔をしてるのか、見せないためなのだと思う。
悔しいような、なきたいような、でも海堂が自分を保っていてくれてよかったなと思うような。そんな顔。
でも、きっと高校に上がって中学の思い出話をする時は、
「イヤー、まいったよあのときは。決勝の前に焼肉で俺様のビッグマグナムはヤケドするし、試合ではボッコボコになってミイラ男だしさ。俺の中学最後の公式戦て、そんなんだったよー」
なんて、笑って話す。
彼はまだ15だからね。

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